生命の質は階段のように上がり下がりするもので、難病や慢性病はある段階を下まわった時点で発生します。
体は一定のレベルを保てなくなると、レベルをひとつ下の段階に落として安定しようとする性質があり、レベルが変化する時の一時的な不安定状態が病気であり、その症状です。
病気は体が上下いずれかの段階に落着けば消えますから、体のレベルを下げる治療でも病気は治るということになります。
日本鍼術では、治療により体のレベルが上がることを最も重要なことと考えます。
古来より『病気を治すな』と言われてき由縁です。
治療が進むにつれ硬結は縮小し、良性のものに変化していきます。
その過程で硬結内の化学物質が排出される時など、一時的に症状の悪化や思いもよらぬ症状が現れることがありますが、いずれも体の段階が上がるときの調整作用ですから、体が良くなっていく指針として歓迎される現象です。
この調整作用は反応と呼ばれ段階が上がるためには不可欠で、鍼では特に重視しています。